改正民法が施行されているのはご存知の方が多いと
思いますが、遺言書がある場合の相続登記の扱いの
変化は認識が薄い方も多いかもしれません。
例えば、従来、自宅不動産を長男Aに全部あげます的な
公正証書遺言をしていた場合、次男Bが勝手に持分を
登記して第三者に譲渡した場合、長男Aは自宅不動産
全てについて権利主張ができました。
しかしながら、民法改正後は法定相続分をこえる不動産の
取得は対抗要件主義をとることになったので、相続登記を
しないと権利主張ができなくなりました。
また、遺言執行者がいる場合も、次男Bが法定相続部分を
勝手に売却して登記をしても絶対的に無効だったのですが、
改正民法後は1013条2項但し書きによって第三者が善意で
先に登記をしてしまうと長男Aは権利が主張できなくなりました。
要するに、父や母などに自分に全財産をあげるという遺言書を書いて
もらっていたとしても改正民法によって遺産を相続したら迅速に
相続登記をしないと法定相続分を超える部分の遺産を取得
できなくなる場合がでてきたということです。
いずれにしろ、遺言書で不動産を相続した場合、今後はなるべく
早めに相続登記を行った方が無難かもしれませんね。
弊所でも遺言書による相続登記も含めて相続手続きの御相談を
承っておりますので、お気軽にご相談ください。
お問い合わせ ⇒ 06−6326−4970
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・相続相談室
大阪府大阪市東淀川区瑞光1−3−12
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司法書士・行政書士 よどがわ事務所
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http://shiho-shoshi.asia/
参考:民法
(共同相続における権利の承継の対抗要件)
第八百九十九条の二 相続による権利の承継は、遺産の分割によるものか
どうかにかかわらず、次条及び第九百一条の規定により算定した相続分を
超える部分については、登記、登録その他の対抗要件を備えなければ、
第三者に対抗することができない。
2 前項の権利が債権である場合において、次条及び第九百一条の
規定により算定した相続分を超えて当該債権を承継した共同相続人が
当該債権に係る遺言の内容(遺産の分割により当該債権を承継した
場合にあっては、当該債権に係る遺産の分割の内容)を明らかにして
債務者にその承継の通知をしたときは、共同相続人の全員が債務者に
通知をしたものとみなして、同項の規定を適用する。
(遺言の執行の妨害行為の禁止)
第千十三条 遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分
その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
2 前項の規定に違反してした行為は、無効とする。
ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
3 前二項の規定は、相続人の債権者(相続債権者を含む。)が
相続財産についてその権利を行使することを妨げない。
2020年06月03日
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